突然変異で生まれた無毛の猫

無毛の猫は昔から世界の様々な地方に伝えられますが、無毛の猫は奇形で無価値と見なされ、小さなうちに処分されることが大半で、存在は最近まで注目されませんでした。
最新の研究では無毛猫は奇形ではなく、自然に発生する突然変異により発現することが証明されています。

代表的な毛のない猫種スフィンクスは、20世紀半ばにカナダで偶然に見つかった無毛の仔猫がスタートです。
親猫は通常の有毛の猫でしたが、誕生した仔猫に無毛の仔猫がいたのです。
この猫を元に無毛種の育種が始まり、古代エジプト猫と共通点が多かったことからスフィンクスと命名されます。

スフィンクスは、遺伝的な疾病を引き継がないように、近親交配を避け、計画的に他の猫種との異種交配が進められます。
遺伝的疾患の少ないアメリカンショートヘアなどの猫種が積極的に交雑に使われました。
純血種のスフィンクスは体が虚弱な個体が多く弱いものも多いのですが、フランスでは34年も生きてギネス登録された猫もいます。

うっすらとした産毛は生えている

無毛とされていますが、体全体にうっすらとした産毛が生えており、手触りはスエードのように滑らかです。
また、髭は生えておらず、皮膚には深く大きな皺が入っており、皮膚には他の猫種の毛の色のように色が付いた部分があります。

細いしっぽは先の方がより細くなっておりまるで鞭のようです。
頭は丸っぽく、毛が無い分余計に大きく見える耳が付いており、おでこは広く、吊りあがり気味の眼がインパクトを与えます。
標準体重は3.5kg~7kg程度で、中型~やや大型の猫です。

見かけによらず陽気で活発

その眉間に寄った深い皺のせいで、一見、神経質で気難しそうに見えます。
しかし、そんな印象とは裏腹に、スフィンクスは「猿と犬と猫でできている」と例えられるほど、とても明るい性格で人好きなので、飼い主の気を引こうと行動します。
人見知りが少なく、初めての来訪者にもよく懐きます。
運動量も多いので、タワーなどを用意して十分に遊ばせることが大切です。

毛がないことでのメリットとデメリット

毛が無いため、冬季の寒さに加え、春から秋にかけての紫外線が皮膚の大敵です。
エアコンを利用して室温調節を行い、冬季は衣類が有効です。
さびしがり屋なので、長い時間留守にしない家庭や、留守がちな家庭では多頭飼いが望ましいです。

スフィンクスは無毛なため、長毛種のようにブラッシングなどの手間はいらず、手入れが少ない面はあります。
しかし、皮脂を被毛が吸うことが無く、そのまま体表に残りますし、皺も多く、皺の間に皮脂がつまって雑菌が繁殖すると皮膚病の危険もあります。
体表には皮脂腺があり汗をかくため、特に夏季は、こまめに清潔な布で体表を拭いて清潔にしましょう。
他の猫種と比較して体温が約4度も高いと言われます。
その分気温に敏感であることをよく理解してあげましょう。