ブリティッシュロングヘア

たまたま生まれたロングヘアを基礎に近年作出

ローマ時代までさかのぼる長い歴史を持つブリティッシュショートヘアも20世紀半ばの第2次世界大戦の時代には絶滅の危機を迎えます。
その後、20世紀後半になってブリティッシュショートヘアの猫種確立と個体数復活を目指して交雑による育種を進める過程で、ペルシャの血が入っていたこともあり、短毛の個体だけでなく、図らずもしばしばロングヘアが生まれます。
その理由で、ブリティッシュショートヘアの固定化には月日を要してします。

残念なことに、たまたま誕生したロングヘアは、ショートヘアの失敗猫として着目されることはほとんどありませんでした。
しかし、20世紀終盤になってやっと注目されるようになります。
1900年代初頭に人気を博したペルシャやアンゴラの風貌を彷彿とさせる容姿から、ロングヘアを独立した猫種とすることが提案されたのです。

21世紀になってようやく、キャットショーへの出場資格が与えられる猫種として認定されました。
こうして、ブリティッシュロングヘアも晴れて表舞台に登場するスタートに立てたのです。
現在、オランダやアメリカでは「ローランダー」という名称で、欧州では「ブリタニカ」という名称で呼ばれて、一定の人気を博しています。

長毛以外はブリティッシュショートヘア譲り

ブリティッシュロングヘアはブリティッシュショートヘア同様に、骨格がガッシリして、筋肉質な体躯です。
ガッチリした体形に加えて長い毛が、より体を大きく見せています。
その他、ふと短い足、ふと短い首、大きく丸い目、丸みを帯びた頬は、ショートヘアそっくりですが、長毛な分、より丸顔に見えます。
被毛のカラーは、ブラック、ホワイト、レッド、ブルー、チョコレートとバリエーションが豊富です。
外見上は長毛である点だけがショートヘアと大きく異なるのですが、長毛が与える影響は大きく、まるでぬいぐるみのような別種の猫に見えます。

飼う際に知っておきたい点

ショートヘア同様に比較的手間のかからない猫種です。
ただ、長毛種であるため、毎日の簡単なコーミングなど体毛のケアは必要です。
長毛種の中では、毛の指通りが滑らかで、毛がからみにくいという特徴があることから、1日1回の軽いくしどおしで十分です。

ブリティッシュロングヘアの性格は、温厚でのんびりとして穏やかで人懐っこい猫です。
自立心も持っており、人懐っこい割には一人にされても寂しがらず、飼い主や他の猫が不在でも一人でゴロゴロ転がったりして楽しく遊んで過ごせるので手間もかかりません。
ただ、手間がかからないからといってほったらかしにすると、ストレスを貯め込んでしまうので注意してください。

ブリティッシュショートヘア

祖先はローマ時代にさかのぼる

英国原産のブリティッシュショートヘアの祖先は古く、紀元200年頃、ローマが英国を侵略した時代までさかのぼります。
そのとき農業が英国に取り入れられたのですが、倉庫の農作物をネズミから守るハンターとして猫を連れて来た際の子孫という説が有力です。
連れてきた猫はエジプト由来の短毛猫との説もありますが定かではありません。
時代が流れ、19世紀頃の英国では、ハンターとして優れた自国産の猫種を作ることに熱心なブリーダーが増え、交雑による育種が進められます。

19世紀半ば過ぎには初めてのブリティッシュショートヘアがキャットショーで各賞を総なめにするほどの人気を博します。
その後も育種が続けられ、20世紀に入ると品種のスタンダードが確立されるのです。

別名やニックネームも持った異色の猫

その時代にはこの猫は「ブリティッシュブルー」と呼ばれていました。
理由は、この時代はシルバーブルー色が好評で、キャットショーに出展されたブリティッシュショートヘアも青っぽい色のみだった事によります。
20世紀前半から半ばには、第一次及び第二次世界大戦の影響もあり、人気が落ちていきます。
しかし、1980年頃になるとブリーダーの努力で大型の体型から中型へ改良が進み、再度人気が復活するのです。

この猫は、17世紀に欧州の移民が米国へ向かうときに、ともに渡ったと伝えられ、アメリカンショートヘアの基礎猫とされるほど両種の外見は似ています。

ところが、人懐っこいアメリカンショートヘアと比べるとブリティッシュショートヘアは神経質なところがあり、気難し屋な面を持ちます。
その性格と、風格のある振る舞いのため、英国内では「猫界のウィンストン・チャーチル(英国の首相でありノーベル賞作家)」と称されたりします。
このことからも、英国では最も古い猫として、イギリスの誇りとされていることが分かります。

また、英国の作家キャロルの童話「不思議の国のアリス」に出てくる神出鬼没な猫「チェシャ猫」のモチーフともいわれ本当に現地では親しみを持たれているようですね。

ガッチリした短めの足を持ち丸顔で中型の猫

やや短めの足ですが、体形も足もガッチリとしていて、ふと短い尻尾が特徴です。
また、頬や口先が丸く、目も丸く両目は離れ気味、耳は小さく離れ気味、鼻は短め、首が太いので顔全体が真ん丸に見える角度があります。

気を付けてあげる疾病と予防法

猫の血液型はA型が大勢を占めますが、ブリティッシュショートヘアは珍しく、全体の5割以上がB型です。
そのため、治療のために輸血を要する時や、出産等の際は注意が必要となります。

猫は異なる血液型の輸血に敏感で耐性が弱く、輸血のショックで死に至ることさえあります。
また、母猫と子猫の血液型が違うだけでも、死産の場合もあるのです。
万一のとき慌てずに済むように、血液型を知っておく必要があります。

バーミラ

バーミーズとチンチラの間で誕生

英国の女性繁殖家の飼う雄のチンチラペルシャが、繁殖家の意に反して雌のバーミーズと交雑してしまいます。
ところが、生まれた子猫達が素晴らしいシルバー色の毛を有していたため、ブリーダーたちの関心を惹きつけ、計画的な交配による育種が始められます。
その結果、作り出されたのがバーミラです。

バーミーズとチンチラの交配によって生まれた猫種のグループは総称してエイジアンと呼ばれました。
このエイジアングループは、毛のカラー別にバーミラ、スモークなど4タイプに分類されます。
バーミラの名前は、育種を始めた女性やブリーダーたちの発案で、バーミーズの「バーム」にチンチラの「イラ」を合成して付けられたものです。

珍しい少数派の猫種ですが、日本における知名度も少しずつではありますが上昇傾向にあります。

スレンダーで筋肉質な中型猫

筋肉質でスラリと四肢が細くスマートな体形で、尻尾は長くストレート、中型猫ですが筋肉質な体形は短毛と相まって外見よりもずっしりとしています。
また、バーミラは毛先の半分近くが地の毛色と違う濃色系のシェイデッドです。
特に、顔は短毛であるため目元にまるで「マスカラ」を付けたように、濃色が眼を囲んでいるかのように見えます。
シェーテッドの毛は、バーミラ特有の最も特徴的なものといえます。

温厚で知的で人懐っこいバーミラ

バーミーズとチンチラの性格を強く引き継いでおり、バーミーズの甘えたがり屋な人懐っこさと、チンチラの穏やかな性格が特徴的です。
両種の性格を程よくミックスして引き継いでいるので、個体差はあるものの、基本的にむやみに甘えることは少なく適度な距離感をもって接してくれます。
知的能力が高く、しつけも手間がかからず、初めて猫を飼う方にもバーミラは飼いやすい部類に入ります。

気を付けてあげるべき疾病と予防法

バーミラは、基礎猫とされたチンチラペルシャから遺伝的に、「多発性のう胞腎」という疾病にかかりやすい体質を受け継いでしまいました。
この「多発性のう胞腎」という疾患は腎臓に小さな水泡ができる疾病で、腎機能の低下が起こり、放っておくと、やがて慢性腎不全に至ります。

現在のところ、この病に対しては有効な治療法が見つかっておらず、早期に発見し、投薬や食事管理で進行を遅らせる以外には治療方法がありません。
水分の多飲で多尿な症状やいつもに比べ元気がない様子が続いたら、躊躇なく、早期に病院を受診するよう心掛けてください。

また、バーミラ特有ではありませんが、一般的な遺伝的疾患として、角膜炎や結膜炎等の目の病気や、歯周病、アレルギーなどに注意する必要があります。
日頃から目や歯、皮膚などを十分観察してあげることが大切です。
そのため、ブラッシングや歯磨きなどを抵抗なく受け入れてくれるよう、子猫時代から慣らしておくことがポイントです。

ノルウェージャンフォレストキャット

トルコから北欧にやって来た説もある森の出身

古くからスカンジナビア半島の森に棲む伝統的な猫とされますが、歴史は思いのほか古いようです。
今からさかのぼること約千年、バイキング(海賊)がトルコのビザンチン帝国から交易等で北欧に持ち込んだアンゴラの血統を引く可能性があるという説があります。

その根拠とされているのは、この猫が持つ毛色のパターンが、長い冬の間、雪におおわれるノルウェーの森で生存するには適していないからです。
むしろ、欧州では珍しくトルコ系特有の毛色をしているためです。
冬のノルウェーの厳しい寒さの森の中で生き抜いてきたため、寒さに対しては強いという特色があります。
古くから地元ノルウェーでは現地の言葉で「森林の猫」と呼ばれ、慕われてきました。
そのため、世界標準語でも、「ノルウェーの森の猫」、つまり、英語で「ノルウェー・フォレスト・キャット」と名付けられました。

第二次世界大戦により、人気のあったこの猫も、食料難もあり人気が一気に下がります。
一時は、絶滅の危機さえあったのですが、愛好家達やブリーダーの努力に支えられて頭数が増え、再び世界中で人気を博すことになるのです。
メインクーンに似た外観を持っていたため未公認の間が続きますが、1990年代に認定されます。
正式名称が長く呼びにくいために、米国等の愛好家の間では「ウィージー」のニックネームが定着しています。

厳しい冬の寒さに適応した優美な長毛

ノルウェージャンフォレストキャットの外見はフワフワの毛が、まるで豪華な毛皮のコートをまとうかの様で気品を感じさせ優美です。
厳しい環境に対応して命を引き継いできたその体型は大きく、筋肉質です。
顎がとがり気味の三角形の顔、大きめの両耳の毛は特に長く、やや吊り上がり気味のアーモンド形の大きな眼と合わせ野性味を感じさせます。

野生の残る外観に反し性格は温厚

外見上は野性味が残り、荒々しい性格のように見えるのですが、実は、知的で賢く、いたって温厚でさびしがり屋です。
ただ、祖先はノルウェーの森でハンティング生活を行って過酷な環境を生き抜いてきただけに運動能力に優れた猫種です。
高い場所に登って獲物を探していた習性の名残で、部屋の中でも家具の上などに上りたがります。

上手な飼い方

屋外でのアクティブな運動が大好きです。
しかし、部屋の中であっても存分に運動できるスペースを確保したり、高低差を考えて安定したキャットタワーを設置したりしてあげれば室内飼いも問題ありません
長毛が優雅で美しいのですが、その分、毎日のブラッシングが必須となります。
また、春の終りと秋の終わりには、毛が生え替わりますので、特に入念なブラッシングが欠かせません。

ピクシーボブ

妖精という名が付けられた猫

アメリカ原産のピクシーボブは、新しい品種として登録されている猫です。
1985年にアメリカのマウントベーカーという山の麓でオスの子猫をもらってきた人が、翌年にもう一匹のオス猫も保護しました。
2匹の猫はどちらもボブキャットのようにしっぽが短かったという特徴がありました。
ボブキャットはアメリカなどに生息しているヤマネコの一種で、
ヤマネコとイエネコの交配種を作りたいとの思いが膨らんでいったそうです。

その後、自分の隣に住んでいた人が飼っているメス猫と交配させて誕生した子猫にピクシーという名前を付けてブリーディングが始まったそうです。
カスケード山脈の近くで見つけた猫20匹以上もブリーディングに含まれましたが、
これはこの付近に生息しているボブキャットとイエネコのハイブリット種が存在しているだろうとの考えに基づいていたそうです。

このような経緯で誕生したピクシーボブはボブキャットの遺伝子が含まれているに違いないと思われましたが、DNA検査を行ったところボブキャットの血は混ざっていなかったことが判明しています。
現実的には野生の状態でイエネコとヤマネコの交配は出来ないという説があることから、初めに発見されたしっぽの短い猫の由来はわかっていないのが実情です。
なお、ピクシーボブはTICAに登録されているものの、純血種の登録を行っているCFAには登録されていません。

参考:http://pepy.jp/7790

ピクシーボブの特徴と性格

ピクシーボブはしっぽがとても短いのが特徴で、他の猫と比較するとかなり短いです。
個体によっては長いしっぽの子が誕生する場合もあることから、
産まれてすぐにしっぽを切断してしまうというブリーダーも存在しているそうです。
指も7本までが正常とされており、通常の猫は前足が5本で後ろ足が4本という特徴と比較するとかなり珍しい品種であることがわかります。

体つきは筋肉質でがっしりしており、オスは8キロくらいに達することもあるそうです。
抱き上げてみるとずっしりとした重さを感じられることから、たくましい体つきであることがよくわかります。

性格はとても穏やかで飼い主に対しても忠実に接する子が多いです。
外見はどことなく近寄りがたいような印象を受けますが、実は社交的で猫を初めて飼う方でも問題なく飼育できるとされています。

ピクシーボブのお手入れ

ブラッシングを行う場合は一日一回だけ行うと十分です。
体が大きいことから食事の量も多く、筋肉と太い骨を維持するためにも
タンパク質やカルシウムが含まれている食事を与えてください。
誕生するまでの段階で色々な種類のイエネコと交配していることから、
近親交配された品種にありがちは遺伝的な疾患の問題は起こりにくく飼育しやすいとされています。